2013年6月3日月曜日

混構造で困っていること

新潟県は、1階をWRC造(壁式鉄筋コンクリート構造)、2,3階を木造とする「混構造」の住宅が豪雪地を中心に多く建築されています。

混構造の場合、確認申請時に構造計算が必要となります。

ところが、新潟県内では混構造と考えられる以前より「高床式」の緩和措置があり、1階部分は積雪を考慮して基礎の立上りを高くした住宅という考えがありました。
それと、混構造でも2,3階が木造の1階WRC造部分は天井スラブが無くても臥梁を廻せば良いという緩和措置もありました。

しかし、平成13年国土交通省告示第1026号により1階WRC造部分に天井スラブが無い場合は「保有水平力計算」が必要=適合性判定=剛性率クリアー困難=混構造はほぼ無理・・となっています。
この、天井スラブが必要な事項は平成24年1月発行の木質系混構造建築物の構造設計の手引き((財)日本住宅・木材技術センター発行)にもしっかりと記載されています。

ところが、

天井スラブが必要であることを確認申請業務を行っている地域振興局や民間の確認申請機関が理解していなかったり、知っていても「天井スラブが無いのは昔からの慣習だから、今更天井スラブが必要だとは言えない」などと言い、天井スラブなしの混構造住宅が建ち続けています・・。
ひどいところでは、天井スラブなし、さらに臥梁もなしで確認申請が通っています。

地域振興局や民間の確認申請機関には何度か「告示を順守して天井スラブを取付けるよう指導してほしい」とお願いしましたが、残念ながら聞いてもらえていません・・。

こんな適当な混構造住宅が建築され続けていることに憤りを感じています・・。

そして、設計事務所や工務店からは、
「M'sに混構造の構造計算を頼むと天井スラブが必要とうるさい、天井スラブなしでも確認申請は通りのだから、天井スラブなしでも構造計算してくれる融通の利く構造計算事務所に頼みます」
なんていうこともよく言われます・・。

木造住宅に対する構造計算の必要性がまだまだ浸透していないことを痛感する毎日です。
もっと「構造塾」で伝えていかなければ・・。

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