2016年11月6日日曜日

熊本地震 築浅物件の解体調査

10/22-24熊本地震にて年数10年で倒壊してしまった木造2階建て住宅の解体調査を行いました。
三日間で延べ80名以上の方々にご参加頂き、各部の調査を行いました。
初めての試みで、何をするべきか全く手探り状態でしたが、皆様のご協力の元、何とか構造部分の施工状況を確認することができました。
今回の調査でわかったことは、以下の通りです。...
・設計は仕様規定に準じており、壁量計算、四分割法、N値計算は
 行われていました。その他仕様規定もさほど問題がなさそう。
・施工状況は、設計の通り筋かい位置、筋かいの留付け、柱頭柱脚
 金物設置など、設計通り問題ありませんでした。
・設計、施工が建築基準法の準じているため、それ以外の部分に倒
 壊原因がある。

当初、設計ミス、施工ミスを探そうと考えていました。しかし、そのようなことがないということはある意味とても興味深いことになります。
基準法の最低基準では、今回の地震被害は防げない可能性があったことになります。
現在、検証中ですが考えられる問題点は以下の通りです。
・壁量充足率がぎりぎり
・上下階の壁量充足率のバランスが悪い
・柱直下率、耐力壁直下率が悪い
・水平構面が脆弱
このあたりの、建築基準法仕様規定レベルでは謳われていない部分の配慮が今後もっと必要になるのではないかと考えています。
結果をとりまとめたら、構造塾にて報告いたします。

0 件のコメント:

コメントを投稿