2013年9月12日木曜日

沈下修復工事について

沈下修復工事とは、地震、液状化、地盤の沈下等で建物が不同沈下した時に修復する工事のことです。
様々な工法があります。
①鋼管杭を支持層まで打ち込む「鋼管圧入工法」
②基礎下にコンクリートの耐圧版を設け耐圧版を足場に建物をジャッキアップさせる「耐圧版工法」
③基礎と土台を切り離し建物だけをジャッキアップさせる「土台あげ工法」
④基礎下部に薬液などを注入し薬液が固化することで建物を持ち上げる「薬液工法」
が主な工法です。

①の鋼管圧入工法は地盤の支持層が比較的深い場合に採用します。
②~④は地盤の支持層が比較的浅い場合に採用します。

ところが、現実はちょっと違います。
沈下修復の約75%が②~③で行われており、①は約25%程度です。
新築住宅では、柱状改良のように比較的支持層の深い地盤改良が大半で、表層改良は少ないと思います。
全く逆なのです。

理由は、①の鋼管圧入工法は作業手間が大きく高額のため、一時的に沈下を修復でき安価なる②~③が多く行われているのです。
根本的な沈下修復になっていないため、再沈下の可能性は残ります・・。

つぎに、設計と施工について。
沈下修復の設計は通常あまり行われていません。
地盤調査をして、沈下量を測定しどこにどこをジャッキアップするか決める、この程度ではないでしょうか。
本来行う設計とは、建物の柱位置にどれだけの軸力が作用しているか、基礎の剛性はどの程度かを確認し、安全で効率よくジャッキアップできるポイントを計算より導くことです。

この辺りが結構適当に行われています・・。

こんな解説を9月11日ワランティ塾 第3回講座で説明しました。
参加の地盤調査業者、地盤改良業者の方々は皆真剣に聞いていただいていました。

その他に、地盤補強工法の一種である「置換工法」について、液状化についての説明しました。
その内容は後日ブログにて紹介します。

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