先日、ある工務店の方より相談がありました。
その工務店で住宅を建てたお客様から、自分の家の性能が知りたいと言われたとのこと・・。
特に構造安全性について。
耐震性能はどの程度なのか?
柱や梁などの軸組部材の寸法算定の根拠は?
地盤・基礎の安全性は??
この住宅は4号建築物なので、構造安全性については建築基準法の仕様規定を順守していることが最低条件です。
なので、壁量計算・四分割法・N値計算程度の簡易計算しか求められていません。
柱は横架材間垂直距離の規定、欠損、有効細長比程度、
横架材は中央付近の下側に耐力上支障のある欠損をさせない程度、
基礎については、告示1347号の寸法や配筋程度です。
だから、構造計算は不要だと胸を張っている建築士も多いようですが、
ちょっと違いますよね。
基準法は最低基準ですから・・。
話は戻りますが、
このお客様は構造計算書など構造安全性を証明したものを見せてほしいのです。
でも、この住宅、構造計算していません・・。
そこで工務店より弊社に相談が来たのです。
弊社としては、今からでも構造計算して安全性を確かめましょうと伝えました。
各所でNGが出る可能性はありますが・・。
ところが相談をしてきた工務店の方は、
「安全性を考えて大きな梁を使ったのに・・」とか、
「うちの大工は腕が良いんだけどな・・」とか、
「今までつくってきた住宅は地震で壊れたことないんだけどな」って感じです・・。
構造計算する必要性を全く感じていません。
ポイントはそこじゃないんです。
その大きな梁が荷重に対して安全なのか計算で証明してくださいと言っているのです。
大工さんの腕が良いことは大切ですが、構造安全性の証明にはなりません。
地震に対する安全性は経験だけではなく、壁量計算等で確認していますか?
とお客様は言っているのです・・。
これは特別な例ではありません。
多分、同じように思っている設計者はたくさんいると思いますよ。
住宅を建てるお客様は構造安全性にかなり関心を持っています。
構造安全性を確認しないで住宅を建てているとは夢にも思っていません。
このギャップ、早く埋まるようになるといいのですが・・。
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