構造計算の解説シリーズではなく、今回は大規模木質構造の構造計算について。
今秋一般公開される、京都東山山頂の青蓮院青龍殿舞台の構造計算を行いました。
舞台の広さは、清水寺の舞台の約5倍(約1,050㎡)で「方杖トラス」と「平行弦トラス」で成り立っています。
建設地には既存のRC造展望施設があり、このRC造を取り壊さず新しい舞台を作ることが与えられたミッションでした・・。
既存RC造展望施設の長さは約13m、更に新規舞台の荷重は載せられない・・。こんな状況です。
そこで、既存RC造を全てお覆うように13m超の方杖トラス構造が法政大学 網野先生より提案されました。
当然バランスをとるために13m超の方杖トラスは基礎をはさみ反対側にも13m超の方杖トラスが必要で、全長約27mの方杖トラス案ができました・・。
「これ、どうやって構造計算するの??」僕の第一印象です。
正直、青蓮院門跡は聞いたことがなく、門跡寺院の意味すら知らず、この舞台の注目度も全く知りませんでした。
構造計算をするにあたり、ただ数値的な安全性を確認するのではなく、青蓮院の歴史等理解し、舞台の役割を考え、構造計算を行うことが重要であると考え(実は妻に言われ)青蓮院の勉強からスタートしました。
その建物の背景を考えることは構造設計者にとってとても大切なことだと思います。
そんなことでスタートした舞台の実施設計、どこから手を付けていよいのか考える日々・・。
先ずは、大まかな構造計画を立て、計算項目を挙げ、フローを考える・・。手探り状態。
それでも、方杖トラス架構案が網野先生より出ていたため、かなり助かりました。
また、本物件の総合設計である増田千次郎さんの木材の関する豊富な知識に助けられました。
そんなことで構造計算が何とか終了しました。
間もなく完成、とても楽しみです!
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