2013年6月25日火曜日

地域型住宅ブランド化事業

6月24日(火)、平成25年度の地域型住宅ブランド化事業のグループ募集の締め切りでした。
弊社が代表と事務局を務めている「新潟地域型住宅協議会」も無事、適用申請書類を取りまとめ提出しました。

平成24年度ほど大変ではありませんでしたが、やはり締切間近はドタバタします。

平成24年度の新潟地域型住宅協議会は、長期優良住宅を手掛けたことの無い会員の方々向けにスキルアップカリキュラムと題して、長期優良住宅の概要、メリットなどお伝えしました。
今年度は、その成果を活かし、長期優良住宅にチャレンジすることを目標に邁進いたします。

長期優良住宅を嫌う?設計者が多いようですが、嫌っている方の多くは長期優良住宅をよく理解していないと思います。
木造住宅の性能は曖昧なまま建てられています・・。
長期優良住宅は耐震性能、省エネ性能など、今まで曖昧であった性能を明確化していることがメリットで、更に金利優遇や税制優遇などのメリットもつきます。
地域型住宅ブランド化事業では更に100万円の補助金も・・。

とにかく、木造住宅の性能の明確化がとても重要だと感じています。
今までのように一生懸命、真面目に、お客様の想いをかたちに・・などなど、だけではなく、
ハード面での明確化も考えて行きましょう。

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2013年6月13日木曜日

ワランティ塾2013開講

地盤保証を行っている、一般社団法人ハウスワランティの地盤調査業者・地盤補強業者向けに、ワランティ塾2013(全3回)を開催しました。

これは、弊社が主催している「構造塾」の地盤関連業者向け講座で、2011年に続き2回目となります。
地盤調査業者・地盤補強業者が地盤や基礎、上部木造部分の基礎知識を習得することを目的に開催しています。
今回も全国各地より約50名の参加を頂きました。


第1回目のテーマは「木造住宅の地盤判定」です。
スウェーデン式サウンディング試験から圧密沈下検討、不同沈下検討、地盤の長期許容応力度算出、基礎形状判定、液状化判定など実務に直結した内容です。
また、今年度新設の「地盤品質判定士」資格試験も視野に入れ、講座内容を組み立てています。

参加の皆さんがとても真剣で、熱い地盤業界を感じました!

2013年6月12日水曜日

裁判と弁護士について思うこと・・・

構造計算を業務としていると、裁判関連の相談が時々来ます。
消費者側の相談だったり、請負者側であったりと様々です。
(以下、正確な表現ではないかもしれません)

何度か裁判用の資料を作ったり、地方裁判所で証人尋問をしたこともありました・・。

そもそも、裁判になること自体、何らかのトラブルが発生しているのであまり関わりたくないのですが、それよりも嫌なのが弁護士とのやり取りです。

勝手な想像で、建築関連の裁判は建築に強い弁護士が行うのかと思っていましたが、
そんなに都合の良い方はいないようで、建築には超素人の弁護士が弁護し合います・・。
建築基準法に関する解釈がめちゃくちゃだったり、
消費者のあきらかにクレームと言えることに輪をかけて正当性を主張したり、
請負者のあきらかに設計・施工ミスにこれでもかと輪をかけて正当性を主張したりと
本当に疲れます。というか、切なくなります・・。

さほど多くない裁判関連の経験で学んだことは以下の通りです。
①テレビドラマでよくある、
 弁護士1:「正義はどこにあるんですか!」
 弁護士2:「裁判に勝った方が正義になるんだ!」
 という嘘のような世界は現実であること。これは本当に思います!

②ひどい設計や施工物件で大変な思いをして泣く泣く訴訟を起こした消費者の多くは、被告のお金を掛けた強い弁護士の屁理屈ともいえる主張で負けるケースが多いこと。

③上記②同様に、弱い弁護士の本当の正義は、強い弁護士の曲がった主張に負けること。

④公平に判断する裁判官は、結局建築には素人なので、主張の強い又は上手い方が勝訴すること。

⑤証人尋問は証人の話を聞くよりも話していることを突然止めさせたり、嫌味なことを言って、怒らせたりする心理作戦があること・・。

⑥個人事務所の弁護士は大手弁護士事務所が相手だと急に弱気になること。

なんで、こんな話をするのかと言うと、
数年前よりあまりにもひどい施工で内部結露等で構造躯体、床など腐りはじめ
住める状態ではなくなった木造住宅があります。
そこの施主は7年前訴訟を起こし、地方裁判所で勝訴しました。
(ちなみに僕は全く関わっていません)

そしたら、先日この木造住宅を施工した工務店(地裁で敗訴した被告)が控訴しました。
施主は長期の裁判と弁護士費用等で疲れ果てているのに、まだ裁判は終わりません・・。
控訴した工務店が、弁護士を変えて地方裁判所での施主の意見に対する反論を出してきました。
(意見を見て欲しいとここで僕は相談を受けました)

まあ、工務店側の弁護士の反論のひどいこと・・。
建築基準法の解釈の間違え過ぎ、構造や省エネに関することも反論しているけど
内容のめちゃくちゃなこと・・。ホント切なくなりました・・。

・床が腐って無くなっても家が倒壊することはないから問題ない
・床は荷重や地震力を負担しないから腐っても家は安全だ
こんな感じです・・。

でもその弁護士事務所は、住宅関連では超有名で弁護士もたくさんいます。
施主側の弁護士は個人事務所で、若く建築の裁判経験なし・・。

あきらかに負けます・・。
施主の泣き寝入りは目に見えています・・。

今回の施主のように本当に切ない思いをしている人がいるけれど、
現在の司法制度というよりは、裁判というものは一般人の常識や良心をもった人間にはできないことなんだと思います。
こんなことを日常的に行っていると、おかしいことが当たり前になるんだなと感じます。

これから、この相談案件どうしようか迷っています・・。

それと、あの有名な弁護士事務所がこんな工務店の弁護もするんだなとガッカリしています。
結局、皆同じなのかと・・。
消費者をひねりつぶしてでも、工務店を守るんだなと・・。

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2013年6月5日水曜日

デザインと構造の融合は無理??

6月4日新潟地域型住宅協議会の第二回定時総会が開催されました。
ちなみに、新潟地域型住宅協議会は地域型住宅ブランド化事業の採択を受けたグループです。

総会の後、協議会会員工務店数社によるパネルディスカッションを行いました。
各社の家づくりに対する考え方や特徴、営業方法、補助金の活用などなど、様々な意見が出てきました。

そこで、いくつか気になる発言が・・・。
・「耐震等級をクリアーさせるには設計の自由度、デザイン性を奪われる」
・「長期優良住宅は性能ばかり前に出ているが、性能重視では仕事が取れない」
・「耐震等級の計算をすると部材や基礎のボリュームアップになる」

などなど、ショッキングな内容でした・・。
四号建築物確認の特例の功罪なのか・・。

設計の自由度、デザイン性は構造性能の上に成り立つものであるはずです。
このもっともらしいこの意見を言い換えれば、
「設計の自由度を重視し、かっこいいデザインの家をつくるには耐震性能は邪魔になるため耐震等級の計算はしません。地震が来たときは家が壊れるかもしれませんが仕方ないですよね、だってかっこいい家なんだから」っていうことですよね。建築士のエゴですよ。

家をつくるお客様は、設計の自由度とデザイン性そして耐震性能はすべて必要だと思いますよ。

それと、性能重視では仕事が取れない、確かにそうです。
だから最低限の性能を確保しつつ各社のオリジナリティを出していきましょう。
ところが、「性能重視では仕事が取れない、だから耐震性能や省エネ性能は計算したりしなくていいんだよ」って考えている建築士が多いのではないでしょうか。

さらに、耐震等級の計算をすると部材や基礎が大きくなる・・、それをまるで過剰設計のように言うけれど、そうではありません。
そもそも想定していた部材や基礎が安全性に欠けているほどボリュームが小さかったのでと考えてみてください。
だってその想定した部材や基礎は、荷重など考慮して断面算出していないですよね。
なぜそれが正当な部材や基礎と確信しているのか不思議でなりません・・。

もっと、構造の大切さを伝えていかなければいけないと強く思いました。

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2013年6月3日月曜日

混構造で困っていること

新潟県は、1階をWRC造(壁式鉄筋コンクリート構造)、2,3階を木造とする「混構造」の住宅が豪雪地を中心に多く建築されています。

混構造の場合、確認申請時に構造計算が必要となります。

ところが、新潟県内では混構造と考えられる以前より「高床式」の緩和措置があり、1階部分は積雪を考慮して基礎の立上りを高くした住宅という考えがありました。
それと、混構造でも2,3階が木造の1階WRC造部分は天井スラブが無くても臥梁を廻せば良いという緩和措置もありました。

しかし、平成13年国土交通省告示第1026号により1階WRC造部分に天井スラブが無い場合は「保有水平力計算」が必要=適合性判定=剛性率クリアー困難=混構造はほぼ無理・・となっています。
この、天井スラブが必要な事項は平成24年1月発行の木質系混構造建築物の構造設計の手引き((財)日本住宅・木材技術センター発行)にもしっかりと記載されています。

ところが、

天井スラブが必要であることを確認申請業務を行っている地域振興局や民間の確認申請機関が理解していなかったり、知っていても「天井スラブが無いのは昔からの慣習だから、今更天井スラブが必要だとは言えない」などと言い、天井スラブなしの混構造住宅が建ち続けています・・。
ひどいところでは、天井スラブなし、さらに臥梁もなしで確認申請が通っています。

地域振興局や民間の確認申請機関には何度か「告示を順守して天井スラブを取付けるよう指導してほしい」とお願いしましたが、残念ながら聞いてもらえていません・・。

こんな適当な混構造住宅が建築され続けていることに憤りを感じています・・。

そして、設計事務所や工務店からは、
「M'sに混構造の構造計算を頼むと天井スラブが必要とうるさい、天井スラブなしでも確認申請は通りのだから、天井スラブなしでも構造計算してくれる融通の利く構造計算事務所に頼みます」
なんていうこともよく言われます・・。

木造住宅に対する構造計算の必要性がまだまだ浸透していないことを痛感する毎日です。
もっと「構造塾」で伝えていかなければ・・。

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